湯畑

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概要・歴史・観光・見所

湯畑(草津温泉・歴史)概要: 湯畑は草津温泉草津温泉湯畑:将軍御汲上の湯枠のシンボル的存在で幅20m、長さ60m、広さ約1600u、毎分4600リットル、年間6tの湯量があり、草津温泉最大の源泉と言えます。源泉の温度はセ氏約60度程度と高温の為、直接入湯する事が出来ず、かといって水で加水すると温度調節は容易なものの温泉成分が希釈され効能も薄まる事から、わざわざ長い7本の木樋を通らせ、そこで温泉の温度を下げ湯宿に送られる仕組みになっています。

逆に直接源泉を引いている湯宿では「時間湯」と呼ばれる入浴方法が取られ、高温の源泉を水で加水せず冷ませる「湯もみ」が考え出されました。時間湯はまず初めに心や精神を清め、温泉神に感謝を込めて神棚に参拝し、続いてかぶり湯を行います。かぶり湯は頭にタオルを載せて温泉をタオルの上からかける行為で、これにより脳に血流が集中し、血管を活性化する事で、高温でも貧血やのぼせないように体の準備をします。

かぶり湯の後は、湯長の掛け声に合わせてゆっくり湯船に3分間浸かり、この3分間というのは科学的な根拠が無いそうですが、長年の経験則で48度という高温での入湯で最もと効果が上がる時間とされます。

最後に湯船から上がった後に蒸しタオルをかけ、噴出した汗を完全にふき取ります。高温に体を浸からせる為、汗腺が大きく開き数分間汗が止らなくなり、その汗で体の老廃物を流しそれを全てふき取る感覚になるそうです。

「湯もみ」の最中に歌われたのが「草津湯もみ唄」や「草津節」で「草津よいとこ 一度はおいで お湯の中にも 花が咲くよ チョイナチョイナ・・・忘れしゃんすな 草津の道を ア ドッコイショ 南浅間に コーリャ 西白根ヨ チョイナ チョイナ・・・朝の湯けむり 夕べの湯もや ア ドッコイショ 草津は湯の町 コーリャ 夢の町ヨ チョイナ チョイナ・・・・・・」で全国的にも知られました。

湯畑源泉の泉質は酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉で、湯畑源泉を利用している共同温泉は「千代の湯」、「関の湯」、「翁の湯」、「瑠璃の湯」、「白嶺の湯」、「巽の湯」、「長寿の湯」、「喜美の湯」、「千歳の湯」、「睦の湯」となっています(その中でも観光客が利用出来るのは「千代の湯」となっています)。

又、湯畑は源泉の温度を下げる効果がある一方で湯の花を採取するのに適し、各樋毎に仕切るように工夫され湯の花が堆積するのを見計らいその樋を堰き止め採取していました。

名称の由来も「湯の花」を収穫出来る畑から「湯の畑」=「湯畑」となったと云われています。往時は薬用として高値で取引され江戸時代には採取権があり幕府には上納金を納めなければなりませんでした。現在でも採取される湯の花は土産として人気が高く、その景観も温泉と木樋、湯の花、湯滝が相俟って独特で印象的な景観が創り出されています。

湯畑の中に建っている「湯滝の燈篭」の歴史は文化12年(1815)に伊勢太々講中草津温泉湯畑:石柱(伊勢神宮を信仰する人々が毎月に集まり飲食をし、少しずつお金を貯め、伊勢神宮に参拝に行き太神楽を奉納する集団。)の人々によって建立されたもので当時は湯滝の傍らに不動堂が建立されていた事から、その常夜灯だったそうです。その姿は印象的で川端龍子画伯の「霊泉由来」と名づけられた作品の題材にもなり樗牛賞を受賞しています。川端龍子は明治時代から昭和初期にかけての日本画家、俳人で「火生」や「潮騒」、「鳴門」、「水雷神」などの大作を発表し昭和34年(1959)には文化勲章を受章しています。

又、8代将軍徳川吉宗、10代将軍徳川家治は源泉を江戸まで運び入浴したことから、「将軍御汲上の湯」とも呼ばれ汲み取った源泉近くには"徳川八代将軍御汲上之湯"の標柱が建立され源泉内部には「将軍御汲上の湯枠」と呼ばれる木枠が残されています。

江戸時代後期の俳人小林一茶が草津温泉に友人である望雲7代目雲嶺庵露白を訪ねた際の一句「湯けむりにふすぼりもせぬ月の貌」は望雲(温泉旅館:小林一茶の他、十返舎一九や高村光太郎、智恵子夫妻、斎藤茂吉など文人墨客が逗留しています。)が湯畑の近くあった事から湯畑の湯煙の事を表現しているとされます。

現在、湯畑の周辺で「歩道といこいの場」と呼ばれている遊歩道のデザインは日本芸術界の巨匠岡本太郎が手掛けたもので、特徴ある湯畑が一層印象的な景観とし、のんびりと散策出来るようになっています。

又、草津温泉の鎮守である白根神社の例祭である氏神祭りの会場の1つに湯畑になっている事から例祭が行われる毎年7月17・18日には白装束の小若連が神輿を担いで湯畑周辺を練り歩きます。

湯畑・写真・画像

草津温泉:湯畑
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