草津街道の起点・終着点

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草津温泉・湯畑

草津温泉・概要: 日本三名泉に数えられる草津温泉の開発に大きく関わったとされる湯本氏の出生は不詳で、草津温泉・湯畑開湯伝説である日本武尊行基菩薩源頼朝などは湯本氏の創作とされています。湯本氏は古代からの霊山である白根山を信仰する修験者と考えられ、同じ群馬県内にある武尊山にも修験僧によって日本武尊伝説が結びつけられています。現在草津温泉の鎮守となっている白根神社は元々白根山信仰の拠点として発展した神社で、湯本氏はその別当して祭祀に関わったとされ、別当寺院である光泉寺を創建しています(白根神社の現在の祭り神は日本武尊ですが、神仏分離令が発令される以前は白根明神で、社殿も現在地より高台にあり白根山を望める遥拝所として機能していました)。草津温泉は全国の霊場を修行する修験僧により広められ、室町時代の禅僧である万里集九が永正3年(1506)に書き上げた「梅花無尽蔵」に「本邦六十余州、毎州有霊湯、其最者下野之草津、津陽之有馬、飛州之湯島三処也」と評している事から、この頃になると草津温泉の名声は全国的にも知られていたと思われます。湯元氏も信仰を背景に勢力を拡大し草津一帯を支配する土豪として認識されるようになり、当初は関東管領である上杉家に従うものの、没落後は武田信玄に従った真田幸隆に与し当地の侵攻に尽力、その功が認められ長野原城主を拝命されています。草津温泉は武田家の家臣が戦で受けた傷や疲労を癒す為に重要視され永禄10年(1567)に草津に打ち壊しが起こると草津入湯を停止させています。その後も湯本氏は武田軍に従軍し度々所領を加増されましたが、元亀4年(1573)に武田信玄が死去すると陰りが見え始め、天正3年(1575)には長篠の戦いでは武田勝頼が織田信長、徳川家康連合軍に大敗し、従軍した湯本善太夫も討死しています。武田氏が滅亡後は真田家に従い、江戸時代には引き続き沼田藩主となった真田家の家老として重用されています。その後、湯本氏の本家が断絶し、沼田藩も藩主の愚行により改易となり草津温泉は天領となりましたが、草津温泉の運営は湯本一族だった3家が「湯守・年寄り」として地位が与えられ領主ではないにしろ、特別視されました。

草津温泉の霊場: 湯本氏の出生が修験者である事が影響してか、草津温泉は湯治場であると同時に霊場でもあり、特に西の河原湯畑に対し西の方角にある河原と言われる一方で賽の河原に因んで名付けられたとも考えられています。西の河原には多くの地蔵尊像や小石が積み上げられた塔婆、風車などが点在し霊場の雰囲気が満ちています。現在規模が縮小しましたが、地蔵湯畑も以前は霊場だったとされ、地蔵堂や数体の石仏、湯畑などがその名残を残しています。

湯畑・概要: 草津温泉の代名詞的な存在で温泉街の中央に位置し、湯畑源泉から多くの湯宿に源泉が引き込まれています。源泉は約60度と人が入湯するには熱すぎる為、源泉から傾斜地を利用して、一端木樋を通す事で外気により多く触れさせ温度を適温にまで下げました。ただし、これでも十分熱い為、時間湯と呼ばれる草津温泉独特の入浴方法と、草津節と呼ばれる独特の調子と歌詞が生まれました。又、木樋からは良質の卯の花を採る事が出来、戦国時代から江戸時代にかけては多くの大名から珍重され、現在でも御土産として人気を博しています。

温泉街: 温泉街は湯畑を中心に四方に幅の狭い道が放射状に伸びているのが特徴で、大きく、西の河原方面、白根神社方面、草津町健康増進センター方面、地蔵湯方面、光泉方面に分かれ、細かい路地が入り組んで迷路のような町割となっています。基本的には計画的な町割ではなく、湯畑周辺に限定されていた温泉街が発展に従い次第に大きく拡張され、地形に合わせて石段や坂、路地が設けられたと思われます。湯畑の周辺と西の河原方面までの経路が特に温泉街らしい町並みが形成され御土産屋や飲食店、外湯などが集中しているようです。大型宿泊施設も多いですが中心部は比較的木造の温泉宿が目立ち、現在も落ち着いた温泉街の様相が残されています。

草津(信州)街道・宿場町

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その他の草津温泉(日本三名泉)への道

大笹街道: 福島宿−仁礼宿−鳥居峠−大笹宿−鎌原宿−狩宿宿−須賀尾−須賀尾峠−長野原宿−草津温泉(湯畑
沓掛街道: 沓掛宿(中山道:長野県北佐久郡軽井沢町)−狩宿宿−須賀尾−須賀尾峠−長野原宿−草津温泉(湯畑)
草津街道: 新町宿(北国街道:長野市)−中野(中野市)−渋温泉(山ノ内町平穏)−渋峠−草津温泉(湯畑)
真田道: 沼田城下中山宿(三国街道)中之条町原町郷原−大戸宿−須賀尾−長野原宿−草津温泉(湯畑)
山田道: 小布施宿(長野県小布施町)−山田村−山田峠−草津温泉(湯畑)

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