四万温泉は伊香保温泉、草津温泉と共に上毛三名湯に数えられています。特に源泉が飲める事でも知られ、冷して飲めば便秘症、温く飲めば下痢症の功能があるとして峩々温泉(宮城県柴田郡川崎町前川峩々)、湯平温泉(大分県由布市湯布院町湯平)と共に日本三大胃腸病の湯に数えられています。四万温泉には幾つか開く湯伝説があり、その1つに摩耶姫伝説あります。昔、若夫婦がなかなか、子供が出来なかった事から毎日神仏に祈願していると、夫婦の霊夢に天狗の化身と思われる白髪の老人が出現し、四万温泉の湧き出る場所と、守護神である薬師如来を祈願するように告げ姿を消しました。次の朝目を覚ますと、早速老人の告げた場所に行き、薬師如来に手を合わせながら7日間、湯に浸かると念願成就し元気な女の赤ん坊を授かりました。名前は薬師如来に肖り「摩耶姫」と名付けられ、美しい女性へと成長しました。摩耶姫が年頃になると、数多くの縁談話が来るものの、なかなか気に入った男性が現れず、良縁祈願の為、不動明王に御参りすると、突如、老女が出現し、四万温泉の薬師如来が祀っている御堂の奥に大きな滝に行くようにと告げ姿を消しました。摩耶姫が御告げに従い、その滝に行って見ると、体の大きくたくましい男性と出会いました。話を聞いてみると、男性も不動明王に良縁の祈願したところこの滝に導かれたと語った為、これは不動明王の御導きと悟り、二人は結婚して仲良く暮らしたと伝えられています。この滝は現在「摩耶の滝」と呼ばれ不動明王は「摩耶不動」として日向見薬師堂の境内に祀られています。
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